遺伝子診断依頼

遺伝子解析

遺伝子変異を同定した上での患者さんをフォローすることは、その患者さんに対するより良き診療につながりますし、今後マススクリーニングで診断される同じ変異を持った患者にとっても重要な情報をもたらしてくれます。本研究班では2015年~2016年と新生児マススクリーニング対象疾患の遺伝子診断を約200例について本研究班研究費で行ってきました。人を対象とした医学系研究に関する倫理指針、ヒトゲノム遺伝子解析研究に関する倫理指針の改訂への対応などでで、一時解析、研究を中断していましたが、平成29年度10月1日から再開しております。

主治医のみなさんへ

新生児マススクリーニング対象疾患の遺伝学的検査について

2016年まではすべての対象疾患を研究として行ってきましたが、現在は大きく2つのカテゴリーに分けて解析、研究を行っています。


A.保険診療で遺伝学的検査が認められている疾患についての遺伝子診断

以下の疾患が対象になります。

*新生児マススクリーニング対象疾患
フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、シトルリン血症1型、
アルギニノコハク酸尿症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、グルタル酸尿症1型、
イソ吉草酸血症、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG-CoAリアーゼ欠損症)、
マルチプルカルボキシラーゼ欠損症、3-メチルクロトニルグリシン尿症、CPT-1欠損症、
VLCAD欠損症、MCAD欠損症、TFP(MTP)欠損症、シトリン欠損症、グルタル酸尿症2型、
β-ケトチオラーゼ欠損症、CPT-2欠損症、CACT欠損症、全身性カルニチン欠乏症
*ほか
尿素サイクル異常症
先天性銅代謝異常症
肝型糖原病(糖原病I型、III型、VI型、IXa 型、IXb 型、IXc 型、IV型)
筋型糖原病(糖原病III型、IV型、IXd 型)

これらの保険収載された新生児マススクリーニング対象疾患22疾患と尿素サイクル異常症、先天性銅代謝異常症、一部の糖原病の遺伝子変異解析は、保険の遺伝学的検査で臨床検査として行われております。こちらについても疾患と遺伝子解析に専門的な研究者が、結果の解釈を含めた最終遺伝子診断にかかわることが望ましいと考えております。また、新生児マススクリーニング疾患の遺伝子変異を明らかにした上でのフォローアップ症例の蓄積が将来の診療ガイドラインの改訂に向け重要なことと考えております。今回、遺伝学的検査は臨床検査として行う訳ですが、是非とも我々研究班のフォローアップ研究に登録の上で検査を進めていただきますようお願いいたします。この点について「新生児マススクリーニングで先天代謝異常症の疑いが高いお子さんをお持ちのご家族の方へ」を用いてご家族に説明いただけますと幸いです。

遺伝子診断依頼書(保険診療)

 

手順:

  1. 遺伝子診断依頼書(保険診療)をクリックしてダウンロードし、必要事項をご記入ください。
  2. そちらをメールに添付し、事務局(iemplat@t.gifu-u.ac.jp)へお送りください。
  3. 事務局から依頼受付のメールが届きます。
  4. 事務局から臨床研究の説明承諾書等が送られてきます。同意書のコピー(個人情報である名前・住所は伏せたもの)を事務局にお送りください。同意書の原本は貴院で保管して下さい。(初回は検査施設と貴病院での検査についての契約が必要であり、時間がかかることがあります。)
  5. 検査施設との契約が結ばれましたら、検査施設の手順書に従って遺伝子検査を受けてください。
  6. 検査施設から遺伝子解析結果が貴院に送られます。その結果を事務局( iemplat@t.gifu-u.ac.jp )までお送りください。
  7. 疾患担当医が、これまでの論文発表・未発表データ・変異予測なども考慮した患者さんの遺伝子解析結果についてのレポートを作成し、事務局よりお送りいたします。

「新生児マススクリーニングで先天代謝異常症の疑いが高いお子さんをお持ちのご家族の方へ」

 


B.保険診療で遺伝子学的検査が認められていない疾患についての遺伝子解析研究

以下の疾患が対象になります。

ガラクトース血症
ケトン体代謝異常症が疑われる症例

これらの疾患の遺伝子診断については、主治医から事務局へ遺伝子診断依頼書をお送りいただくと、本研究班の疾患担当医から連絡が入ります。

こちらは研究として遺伝子解析を行います。

依頼書受付後に患者さんのフォローをお願いする臨床研究の説明承諾書を送らせていただきます。

臨床研究の承諾が得られれば、遺伝子解析費用は研究班で負担します(研究費の関係で解析数に制限があります。ご了承ください)。

遺伝子診断依頼書(保険診療外)


(重要)これらの疾患については、新たにこの遺伝子診断のために採血してDNAをとる場合には、担当の先生に本研究の研究分担者になっていただく必要が生じます。すなわち、岐阜大学で本研究の倫理審査を受けた内容で、貴院でも倫理審査を受けていただき、承認を得ることが必要となります。

もし既に他の目的で採血などがなされDNAをとられている場合はこの限りでなく、既存試料情報の提供となり、研究分担者になる必要はありません。


 

手順:

  1. 遺伝子診断依頼書(保険診療外)をクリックしてダウンロードし、必要事項をご記入ください。
  2. そちらをメールに添付し、事務局(iemplat@t.gifu-u.ac.jp)へお送りください。
  3. 疾患担当医から依頼受付のメールが届きます。
  4. 疾患担当医が遺伝子解析適応と判断しましたら、臨床研究の説明承諾書が送られてきます。血液と同意書のコピー(個人情報である名前・住所は伏せたもの)を岐阜大学にお送りください。同意書の原本は貴院で保管して下さい。この段階で上述のように研究分担者となる必要がある場合(あらたに血液サンプルをとる場合)、倫理委員会の承認を得てください。岐阜大学での書類は疾患担当医からご連絡いたします。
  5. 疾患担当医が、これまでの論文発表・未発表データ・変異予測なども考慮した患者さんの遺伝子解析結果についてのレポートを作成し、事務局よりお送りいたします。

 

疾患担当医
岐阜大学:笹井英雄・松本英樹・森真以
島根大学:小林弘典
松江赤十字病院:長谷川有紀
熊本大学:中村公俊・松本志郎・城戸淳
大阪公立大学:濱崎考史 
藤田医科大学:伊藤哲哉・中島葉子
国立成育医療研究センター研究所:但馬剛 
東京慈恵会医科大学:小林正久
東北大学:和田陽一
東邦大学医療センター大橋病院:清水教一
浜松医科大学:福田冬季子
 

その他

血液を送付する際は必ず依頼書(受付IDが記載されたもの)と同意書のコピー(個人情報である名前・住所は伏せたもの)を同封してください。

ご質問等は

岐阜大学大学院医学系研究科小児科学内 
遺伝子パネル解析事務局
058−230−6386
iemplat@t.gifu-u.ac.jp

までお願いいたします。